Diary 2006. 10
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10月6日 (金)  その国で初めての王者は強い!

いよいよ、今日からF1日本グランプリが開催だ。1987年から始まった鈴鹿での日本グランプリも、今年で最後になる。
今年の日本グランプリは、その華やかな歴史のフィナーレに相応しい、タイトル争いが緊迫した状況でスタートする。
ドライバーズ・タイトルは、フェラーリのミハエル・シューマッハ(ドイツ)とルノーのフェルナンド・アロンソ(スペイン)が同点で激突する、シューマッハの優勝回数がアロンソよりも1回多いために、もし鈴鹿でシューマッハが優勝してアロンソがリタイアすると、シューマッハのワールド・チャンピオンが確定する。

ドイツといえば、BMW、ポルシェ、フォルクス・ワーゲン、メルセデスと、自動車王国の観が強いが、以外にもF1のチャンピオンは、ミハエル・シューマッハが初めてなのだ。
近代F1において、その国初めてのチャンピオンは3人いるが、うち2人はF1史上最強と言ってもよいチャンピオンだった。1人目は、初のフランス人チャンピオン、アラン・プロスト。4度のワールド・チャンピオン、F1通算51勝、その無理のないスムースでクールなドライビングと、緻密なチーム・コントロールと車の開発、レースの分析と組み立てから、「プロフェッサー」と呼ばれた。
2人目が、今回鈴鹿でラスト・ランを見せる、ミハエル・シューマッハ。前述の通り、初のドイツ人チャンピオンで、7度のワールド・チャンピオン、現在通算91勝、そのアグレッシブでありながらミスの無いドライビング、あくなき勝利への執念から、「カイザー」と称される、現役最強のドライバーだ。
そして、3人目が、昨年「カイザー」シューマッハを打ち破って、史上最年少でタイトルを奪取した、初のスペイン人チャンピオン、フェルナンド・アロンソだ。彼が、今年の残り2レースで、シューマッハと如何に闘い、今後どのようなドライバーになるかは想像の域を出ないが、私はアロンソが尊称を受けるようなドライバーになると思いたいし、大いに期待が持てると思う。
彼らに共通するのは、偉大なるチャンピオンを打ち破って、初タイトルを獲得している点で、プロストはニキ・ラウダを、シューマッハはアイルトン・セナを、そしてアロンソは、そのシューマッハだ。期待も高まろうというものである。

10月7日、8日は、午後すぐにテレビで生中継がある。是非、この二人のドライバーの緊迫した闘いをご覧になって頂きたい。舞台となる鈴鹿サーキットは、世界屈指のテクニカル・コースで、立体交差を中心に東側と西側に8の字型の構成になっている。コース東側はドライバーの技量が試される、超テクニカル・エリアだ。約800mのホーム・ストレートから1コーナー、2コーナーと呼ばれる複合カーブを立ち上がると、S字コーナー、逆バンク、デグナー・カーブと、更に難しいレイアウトが待っている。ここを如何に速く走るかが、タイム短縮の必須事項となり、チームのセッティング能力も試される。デグナー・カーブを抜けると立体交差下側を抜け、ここからコース西側に入る。まずヘアピン、それを抜けると、右に緩やかに彎曲した高速コーナーがあり、その先にスプーン・カーブと呼ばれる複合コーナー、ここを抜けると約1kmのバック・ストレート、ストレート・エンドに130Rの高速コーナーが待ち構える。コース東側がテクニックを試すレイアウトなら、西側はドライバーの勇気を試すレイアウトだ。ヘアピン後の高速コーナーで加速し、複合スプーンで出来るだけ速度の損失を避けなければ、続くバック・ストレートでスピードがのらない。バック・ストレートは緩やかに登っているので、侵入速度は非常に重要なのだ。予選で上位を目指すドライバーはスプーンでチャレンジしなければならない。このため、スプーン・コーナーではコースアウトが非常に多い。スピンを見たいならココだ。バック・ストレート・エンドには、鈴鹿名物、高速コーナーの130Rが待ち構える、ストレートからアクセルべた踏み、全開で飛び込まなければならない130Rは、まさにドライバーの勇気の踏絵となる。130Rを抜けると立体交差上を越えてコース東側に戻る、すぐに鉤型の最終カシオ・トライアングルシケインがあり、全開から一気にフル・ブレーキング、時速300kmから60km台まで急減速だ。ここで観戦していれば、ホイールの間から、真っ赤に焼けたカーボン・ブレーキ・ローターが見られるだろう。シケインを通過すれば、再びホーム・ストレート、シケインからホーム・ストレートまでは下っており、陽の光に照らされるマシンが最も美しく見える場所だ。エッセイにも書いたが、本戦後半の、やや傾いた日差しに染まるフェラーリは、息を呑むほどに美しい。鈴鹿にいかれる方は、是非この光景をご覧になって頂きたい。

土曜日からは、S字を攻略し、130Rに風を切って突っ込む赤(フェラーリ)と青(ルノー)の二人の王者を是非是非ご覧になって頂きたい。


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