デルタブレーキ


私はセンタープルブレーキが好きである。稼動部分と据付部分が別れているので
、ブレ−キング時にアーチ本体が「持っていかれる」といった感じがなく、片効き
もない。愛用は、
Campagnoloのレコード・センチュリーのデルタブレーキだ。通
常のデルタ・ブレーキにダーク・グレーのハード・アルマイト加工が施してあり、
グレーの黒真珠のような落ち着いた輝きが、
GLのカーボン・フレームと絶妙の相
性だと思っている。

デザインはいいが、引きが重く効きが悪く重量もある、と酷評されたデルタ・ブレ
ーキだが、この質感とデザインは如何とも捨て難い。どうしても使いたいので、色
々とアレンジしてみることにした。

まず効きの悪さだが、付属のシューが固く効きが悪いので、新モデルのシューと
付け替えてみると・・・、凄く効くようになる。制動の細かいコントロールも可能
になるが、ここでクローズアップされるのが引きの重さだ。内部の構造を見る
と、パンタグラフ型の梃子がアームを引く形状になっていて、若干のバネレート
の変更と、パンタグラフの一辺の形を各々変更することによって、別物のような
引きの軽さになり、制動も更に繊細なコントロールができるようになる。この部
品については自ら設計・製作した。

最後の問題は重量だが、ボルト・シャフト類を全て
SRPのチタンのものに変更し、
可能な場所の肉抜きをする。ここで、稼動部と固定部が別れていることが、強度
計算の上で非常に有利になる。もっとも、外観を崩したくないという別の要素が
あるので、激しい肉抜きはしなかったのだが、それでも仕上がりは国産S社の最
新モデルと同等の重量になった。

理工系の人間にとっては、容易とも云い得る作業であったが、おかげで快適な
ブレ−キングを享受できて、ルックスも満足している。